Tuesday, July 2, 2013

HOUSEHUSBAND


つわりで主婦業をお休みした私にかわって、サラリーマンビシューはかわいそうに家でも主夫をすることになった。

彼は何でもおいしいと言って食べてくれるような夫ではなく、まずいとか味がないとか、思ったままを口にする人だ。遠慮という言葉を知らない。いつも和食か洋食かつくっているのだが、味が少しでも薄いと感じるとスパイスセットをテーブルの上に持ってきて上から大量にふりかけられる。一緒に暮らし始めた当初は、いちいちむかついていたが、それももう慣れてしまった。

舌がもうインド舌になってしまっているのだ。強烈に味がないとだめなのだ。和食のように醤油と味噌と酒とみりんだけでは足りないのだ。ガーリックやチリパウダーやターメリックやカレーパウダーで、カラフルに、香りをきつく仕上げないと食事としては失格とみなされる。

目玉焼きを作る時も、私は焼いて醤油をひとかけして、事足りるがビシューは上からチリパウダーやガーリックパウダーをかけまくるので、私の目玉焼きにはかけないでくれと断っておかなければ、赤い目玉焼きが出来上がってしまう。

インド人の体臭がにおうのはなぜかと、以前聞いたことがある。それは、強烈にスパイスを使うからだ。そのスパイスが汗となってでてくるので、特殊なにおいを発生させるという。げっ、私も気をつけなければ。後は、ヘアーオイルが原因だ。テッカテカに光っている髪の毛はオイルをわんさか塗っているからだ。

主題からずれてしまったが、ビシューは私がつわりで家事ができなくなると、私にかわって食事をつくってくれた。ビシューが作るのは、すべてインド料理。香辛料で一杯なので、においつわりのひとには、適さないかもしれない。が、中にはつわりに効果あり?と思われるような料理があった。トマトスープだ。あまり期待はしていなかったが、食べたらトマトの味が素晴らしく生きていて、おいしく最後まで食べれた。

レシピはYouTubeから探してきたらしく、シェフは何でもインドの料理番組にはいつもでていた超有名人らしい。話しているのは、ヒンズー語だが、材料は英語で紹介するのでわかりやすい。最後にペラペラと話しているのは生クリームは直前に入れるようにと話している。



つわりが始まる前は、よく台所に入ってきて、「切り方がおおざっぱ」とか指摘をうけて内心うるさいなと思っていたが、ビシューはなかなか料理がうまい。このままずっと主夫をしてほしい。しかし、それならば和食も作ってもらわないとなぁと、超怠けものになりがちである。そんな訳で、ビシューは週末家でゆっくり休むはずが、せわしなく過ごし、最後には「会社でも働いて、家でも家事をして、畑も耕して、疲れるなぁ。」とつぶやいていた。もつべきものは妻に尽くす夫だ。



                                           インドの朝ご飯 ポハ



参考文献・場所

YouTube / Tomato Soup By Sanjeev Kapoor

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